こんにちは!今回は、バスケットボールにおける「手のひらの大きさ」がプレイ全般にどれほど影響するのかを、NBAやユーロリーグといった欧米バスケ大国の事例を参考に検証してみたいと思います。シュート力からボールコントロール、ディフェンス、リバウンド、さらにはパスワークに至るまで、幅広い角度から見ていきますね。ちょっとボリュームがありますが、ぜひ最後までお付き合いください!
シュート(リリースや射程)への影響
まずは多くの人が気になるシュート面の影響からご紹介します。手のひらが大きい選手は、ボールとの接触面積が広がるおかげで、リリース時のボールコントロールに特有のメリットがあるとされています。たとえば、指先の強さやボールへのスピン量をより繊細に調整しやすいという話ですね。
実際、トロント・ラプターズのヘッドコーチ、ニック・ナースがカワイ・レナード(なんと手の長さ約24.8cm、幅約28.6cm!)について「彼の手首と指先の強さが異常なほどのスピンを生み出し、高いアーチのシュートを実現している」と語ったことがあります。あの有名な2019年プレーオフの「ブザービーター(通称『ザ・ショット』)」でも、独特のスピンでリングに柔らかくバウンドして得点したんですよね。
一方で、「手が大きすぎるとシュートのリリースが難しくなる」という声もあります。実際、レナード本人は「手が大きすぎて、女子用の小さいボールをシュートするときのように、指先からうまくボールを転がすのが難しい」とコメントし、ボールが手のひら深くに入り込みすぎないよう常に意識しているそうです。また、「普通の選手よりシュートをうまくコントロールするために時間をかけて慣れる必要があった」とも話しています。
とはいえ、彼は徹底的な練習で克服し、2015–16シーズンには3P成功率48.2%でリーグ1位という素晴らしい数字を叩き出しました。手が大きいことで知られるマイケル・ジョーダン(手幅約28.9cm)も、中距離シュートの巧者として高い成功率を誇り、フリースロー成功率でも通算83.5%を残しています。
さらに興味深い研究として、NBA選手の手長とフリースロー成功率の関係を調べたところ、「手の大きさとシュート成功率に有意な相関は見られない」という結果が出ているそうです。一方で、エストニアの10~17歳男子193名を対象にした調査では「指が長いほどシュートの正確性が高い」というデータもあります。どうやら「大きい手=シュートに不利」とは一概に言えず、しっかり使いこなせればむしろ強みになるし、トレーニングでリリースの微調整を克服できる可能性が高いということですね。
ボールコントロール(ドリブル・キャッチ)への影響
続いては、ドリブルやキャッチといったボールコントロール面への影響です。一般に手が大きいとボールをつかみやすくなるため、ドリブル時のコントロール力が上がるとされています。実際に、マイケル・ジョーダンのプレーを見ていると、片手でボールをつかんだままフェイントを入れたり、ダンクへつなげたりする場面が多くありました。ジョーダン自身は「親指が横に大きく張っていて、まるで筆を操るようにボールを扱える」と語っています。ディフェンダーにとっては非常に厄介だったでしょうね。
もう一人、小柄なのに大きな手で知られるのがラジョン・ロンド(身長185cm)。手幅約24.5cmというサイズで「ボールをビー玉のように握れる」と評されており、スティールや片手パスフェイクなどを量産してきました。キャッチ面でも手のひらが大きいと、パスを受け止めやすく空中のボールを片手でつかんだままワンハンドフェイクをするような高等テクニックも可能になります。カワイ・レナードが片手でパスをキャッチしてそのままボールを掌握する姿を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。
ただし、「手が大きすぎてドリブルがしにくい」という声もあり、レナードは「ボールを弾ませる力加減やリズムを普通の選手以上に気を遣わないといけない」と話しています。とはいえ、総合的にはボールコントロールの面でメリットが大きいのは間違いありません。ユース世代においては、手に対してボールが大きすぎると基本スキルの習得が難しいため、小学生年代には小さいサイズのボール(約27cm)を使うというルールが広く普及しています。やはり手のサイズに見合ったボールで練習するのが上達のカギなんですね。
ディフェンス(ブロック・スティール)への影響
手が大きいと、ディフェンスで特に顕著なのがスティール力です。相手のドリブルやパスにちょっと手を出すだけでボールをつかめる確率が高まるので、スティールやディフレクション(ボールへ一時的に触れる動作)を量産しやすくなります。マイケル・ジョーダンは通算3度のスティール王を獲得しており、カワイ・レナードも「The Klaw(クロウ)」と呼ばれるほど手を生かしたスティールやボール奪取を得意としています。ラジョン・ロンドのようにサイズで劣るガードでも、手の大きさで補って相手のボールをかっさらうシーンが多々見られました。
ブロックショットにおいても、手の大きさは空中でボールに触れたときの安定感に影響します。かのウィルト・チェンバレンやビル・ラッセルは、ブロックと同時にボールをつかんでリバウンドを兼ねるような離れ業を披露していました。最近の選手でいうと、身長221cmのクリスタプス・ポルジンギスが長いリーチに加えてしっかりボールを弾き飛ばせる手のサイズを持っており、優れたブロック能力を発揮しています。レブロン・ジェームズも空中からたたき落とす豪快なブロックが名物ですが、手が大きいおかげでボールコントロールしやすいという面は大いにありそうです。
リバウンドやパスのしやすさへの影響
リバウンドは空中でボールをつかむ際に手の大きさがダイレクトに影響します。競り合っている状態でも手のひら全体で包み込むようにつかめれば、弾かずにしっかりホールドできますよね。デニス・ロッドマンは公式データこそ不明ですが非常に大きな手の持ち主だったとされ、「一度ボールをつかんだら離さない」タイプだったそうです。カワイ・レナードもフォワードながら高いリバウンド率を誇るのは、大きな手のおかげで空中戦で優位に立ちやすいからだと本人も認めています。片手でリバウンドを奪ったあと、そのまま相手に叩かれても離さない場面は見ていて迫力がありますよね。
そしてパスでも、大きな手だと片手でボールを保持したままフェイクを入れたり、ノールックでさばいたりと“魅せるプレー”が広がります。マジック・ジョンソンは片手でボールを持った状態から視線とは逆方向にパスを出す妙技で一世を風靡しましたし、ラジョン・ロンドも背面パスのフェイクから瞬時に別の味方に供給するトリッキーなプレーが得意でした。ボバン・マリヤノビッチ(手幅30cm超)のように、片手で軽々とボールをつまみ上げてそのままダンクする姿は、もはやマンガの世界です。ただ、パスセンスは視野や判断力にも左右されるので、手の大きさだけでは語れませんが、間違いなくアドバンテージにはなりやすいでしょう。
プロ選手の手の大きさとパフォーマンスの具体例
では最後に、NBAやユーロリーグで活躍する有名選手の「手の大きさとプレーの関係」を表にまとめてみました。
選手名 | 手のひらサイズ (幅) | プレイへの主な影響・エピソード |
---|---|---|
カワイ・レナード (LAクリッパーズ) | 約29.2cm (11.5インチ) | 「The Klaw(クロウ)」と呼ばれるほどの巨大な手が武器。ディフェンス(スティール)やリバウンドで圧倒的強さを誇り、シュート時は大きな手がハンデにもなるが努力で克服して高精度3Pシューターに成長。 |
マイケル・ジョーダン (元シカゴ・ブルズ) | 約28.9cm (11.37インチ) | “史上最高のシューティングガード”とも呼ばれる偉大なスター。片手でボールを自在に操り、派手なフェイントやダンクを多用。守備でもスティール王3回獲得。親指の広がりが特に大きく、「筆を操るようにボールを扱える」と語っていた。 |
ジュリアス・アービング (元NBA/ABA) | 正式測定値は不明(非常に大きい) | マイケル・ジョーダンが「彼も自分と同じく親指がすごく離れている」と言及したレジェンド。巨大な手で有名な“Dr.J”は、空中でボールを自由自在に動かす“エアウォーク”やリバースレイアップで観客を魅了した。 |
ラジョン・ロンド (欧州/元NBA) | 約24.5cm | 身長185cmでもNBAでもトップクラスの手の大きさ。「ボールをビー玉のようにつかめる」握力でスティール&パスフェイクを量産。シュート精度にはややムラがあったが、手が大きすぎることも一因と指摘された。 |
クリスタプス・ポルジンギス (Wizards) | 約24.8cm | 221cmの長身フォワードで、長いリーチと手のサイズを活かしてブロックを量産。高さ勝負で圧倒的な存在感を放つ。 |
ボバン・マリヤノビッチ (ロケッツ) | 約30.5~32cm | NBA屈指の巨大な手の持ち主(身長224cm)。片手でボールを簡単に持ち上げてダンクできるほど。敏捷性には欠けるため出場時間は限られるが、ペイント内では圧倒的な得点効率を誇る。 |
いかがでしょうか?こうして見ると、手の大きさがトップレベルのパフォーマンスに影響している事例はかなり多いですよね。シュートやハンドリング、守備、リバウンドなど、あらゆる場面で有利になる一方、ときにはシュートのリリースやドリブルの加減といった微妙な調整が必要になることもあります。ユース世代でも手のサイズと基本技術の上達は密接に関連していて、手の大きい子はそれを生かしたプレーを伸ばしつつ、デメリットをうまく克服できるよう指導を受けるのが理想とされているんです。
結局のところ、手の大きさはプレーに無視できないインパクトを与えるものの、それだけで成功が約束されるわけではない、というのが実態でしょう。トップクラスの選手を見ると、大きな手をいかに器用に扱い、シュートやディフェンスの微妙な感覚を身につけているかが勝負の分かれ目になっているように感じます。でも「身長は伸ばせなくても、手は鍛えられる部分もあるんじゃ?」と期待したくなるところ。実際、指のストレッチや握力トレーニングでコントロールが良くなるケースはあるので、もし興味があれば試してみるのもアリかもしれません。
というわけで、今回はバスケにおける手のひらの大きさの影響を見てきましたが、やはり奥深いテーマですよね。誰もがマイケル・ジョーダンやカワイ・レナードのように巨大な手を持てるわけではありませんが、逆に言えば手のサイズに合ったプレースタイルを追求すれば、身長や指の長さに左右されない可能性も広がります。今後もNBAやユーロリーグで「この選手の手があんなに大きいなんて!」というエピソードが出てきたら、注目してみると面白いかもしれませんよ。最後まで読んでいただき、ありがとうございました!